世界の人物
「世界史を教えていたことがあるんですよ」と言ったとき、相手の反応は大体二つ。一方は「世界史、大好きだったんだよ!ロマンだよな」と言って歴史のロマンを語り始める人。もう一方は「世界史!大嫌いだったんだよ!」と叫ぶ人。
ところがこの「世界史大嫌い派」の方々は、続けて「カタカナばっかりで覚えられないじゃん。ほら、何て言ったっけ、インノウ、じゃねーや、インノケンティウス?あれがテストのとき思い出せなくて!」とか「中国史をやっているときに、先生が“酒池肉林”の話を始めちゃってさ。あれでワタシの純情は終わったのよね」とか、頼んでもいないのに苦労話を始めてくれる。しかも、みんな喜々として。本当に世界史が面白くないのであれば、「世界史…。そう…」と呟いて、遠い目をして黙り込むのが妥当だろう。そうではないということは、みんな内心「楽しい話もあった」と思っているのに違いない。
そんな「楽しい話もあった」を集めてみたら、こんなに集まった。掲載人物は、なるべく『高校教科書掲載程度』から選んであるので、世界史に苦労した人も苦労しなかった人も楽しめるところがミソである。