▼BC 4〜AD30:キリスト教始祖

イエス(Illustration:マスダ) ちびまる子ちゃんの父ヒロシは、イエスのことを「エスさん」と呼ぶそうである。「主よ我を救いたまえ」なんて言っているより「エスさん助けてくれ!」の方がよっぽど心に届きそうな気がする。
 それはさておき、イエスを知らない人はまずいないと思うけど、これが「史的イエス」となると、知っている人がまるでいないという不思議な人物である。
 「史的イエス」が何故難しいかというと、イエスに関する史料は聖書に寄るしかないわけだけど、その聖書自体がすでに「布教のため」「教団形成のため」に役立つように、多少なりとも事実を変形して伝えているからだ。聖書は「史実」ではなく「歴史小説」に近い。しかしこれを「真実」とみなすキリスト教が、現在も世界第一の宗教であるということが、歴史的追求を更に難しくしちゃってるみたいだ。
 イエスの象徴みたいな「腰布」も、後世のヨーロッパ人の想像、というか捏造である。というのもユダヤ男子は生まれてすぐ割礼をされるため、いわゆる包茎は一人もいない。つまりイエスの大事な部分を見せると、イエスがユダヤ人であることを否定するのに都合が悪い。ヨーロッパでユダヤ人が嫌われていた時代、自分たちの宗教の始祖がユダヤ人であることを隠すために、イエスのアソコをも隠してしまった、とこういう経緯らしい。
 教会の偉いオッサンたちが、イエスの露わな局部を見て「困ったなあ、隠そうかなあ」なんて相談したかと思うと、なんだか笑っちゃう出来事である。
 ついでにいうと、イエスが絵画でよく見る「悲劇的な顔の痩せこけた腰布男」ではなく、「大工の倅らしく筋骨逞しいちょっとムサげな大男」であったことは確からしい。大男イエスが、何故あんな痩せた人物として描かれるようになったのかはよく判らない。


※史的イエス…聖書やキリスト教で唱えられている「宗教的キリスト」と切り離して、実際歴史上を生きていたと思われるイエスの人物像を取り出したもの。ただし、今もって正確な「史的イエス」は取り出されていない、というより取り出されたとは認められていない。多分キリスト教が存在する限り無理だろう。