▼1925〜70:小説家・劇作家

三島由紀夫(Illustration:KUNIMORI) 本名平岡公威(きみたけ)。10代より作品を発表。その早熟さゆえ文壇から嫌われていた彼。嫌われたから嫌いになったのかは定かではないが、三島本人も文壇は大嫌いであった。
 このエピソードは彼の自伝的小説「仮面の告白」の中に書かれているものだが、実際彼はかなりセバスチャンに執着していたようだ。中でもグィード・レーニの書いた「聖セバスチャン殉教図」がお気に入りで、後年自演して篠山紀信に撮影依頼している。というより撮影の話があったので是非これをやりたいと申し出たのだと思うが、彼の青年という存在に対する憧れは死ぬまで続いた。
 幼少時代病弱だった彼は祖母と母に取り合いされるほど可愛がられて育った。女に囲まれて育ったので青年に対する強烈な憧れが育ったのだという学者もいるが、近年では精神病理学的な考察もされているようである。しかし、多くの学者は彼の頭の良さや構成の緻密さに翻弄され作品を読み解くことができず、研究はあまり進んでいないようである。作品の中のキャラクター達が彼の中から出た本当か嘘か判別しにくいと言うわけだな。
 この作品で世間に衝撃を与えたのちも彼の驀進はまだまだ続くのであった。