▼BC100頃〜BC44:ローマの政治家
ガイウス・ユリウス・カエサル(あるいはジュリアス=シーザー)って誰?と聞かれたら、どんな説明をするだろうか?
ローマ皇帝?一応間違いではあるが、似たようなものだ。ローマを仕切っていた元老院に対抗して、当時ときめく政治家三人(カエサル&ポンペイウス&クラッスス)を集めて三頭政治を開始、クラッスス死後元老院と手を結んだポンペイウスに戦いを挑んで勝利、晴れて終身独裁官1となるも、共和主義を重んずる一派によって暗殺される…というのが彼の人生のあらすじ。
彼の偉大な業績は、探せばいくらでもゴロゴロ出てくるんだけど、意外に知られていないのが『彼の悩み』。
カエサルは大変な“おしゃれさん”で、体中のムダ毛を丹念に引き抜かせ、体中に香油を塗りたくって、いつもぴかぴか光っていたという。しかも、ぴかぴか光っていたのは身体だけではない。頭までもが光っちゃってたのだ。但し、こちらは天然。彼を嫌っているローマ市民の間では『禿頭の大将』というアダナで呼ばれていたらしい。
可哀想なことに『彼の禿頭はしばしば彼を中傷するものの嘲笑の的となり、大いに彼を悩ました。そのため乏しい髪の毛を頭のてっぺんから櫛で前方に撫でおろしていた。そして元老院や民会の決議で彼に与えられたあらゆる名誉の中で、あらゆる場合に月桂冠をかぶる特権ほど喜んで受け、喜んで利用したものはなかった。』なんて記録まで残されてしまっているのだ。2
しかし、ハゲ隠しのために髪の毛をてっぺんから前方になで下ろす…彼が現代に生きていたら、ポマードを塗りたくってバーコードになりOLに嫌われるんだろうか、それとも“アデ○ンス”という素晴らしい発明に涙したんだろうか。ちょっと興味があるところだ。
「禿げの大将」も面白いですが、カエサルの仇名にもうひとつ「ビテュニアの女王」というものもあります。若い頃に同盟市ビテュニアに使者として派遣され、そこの王様ニコメデスとムフフな関係になったとか。この噂、禿げのことと一緒に終生彼につきまとったそうです。
「帝王切開」の言葉の由来がカエサルにあるというのは本当なのでしょうか?
コメントじゃなく質問ですいません…。
そういえばそんな説ありましたね。気になったのでワタシも調べてみましたところ、「カエサルが帝王切開で生まれたから」というのは逸話らしいです。
ラテン語の“帝王切開”である sectiocaesarea というコトバが、ドイツ語に訳すときに、 caesarea (切るの意)の部分を間違って、 caesar (カエサル)と誤訳してしまい、それが日本に伝わってきて「カエサルっちゅったら皇帝・帝王でしょう」ということで、日本語訳するときに『帝王切開』になった、ちゅーのがカタイとこらしいです。まあ、カエサルは帝王じゃないですから、いろんな誤解と間違いが含まれているわけですが、とりあえず「カエサルに由来する」のは、一応本当ってことになるですかね。
返答ありがとうございます。
友人が「カエサルに由来するなら『将軍切開』じゃないの?」とか突っ込んでました(笑)
どっちにしろ謎な用語ですね。
「カエサル」という名前は、のちには帝位継承者の称号と化したそうですね。
プルタルコスの『対比列伝』では、オクタヴィアヌス(アウグストゥス)のことも「カエサル」と呼んでいて、ややこしいです。もっとも、彼の場合はカエサルとの関係を考えてみても、本名だったんだけど。
とすれば、ユリウス・カエサルは帝王ではないけれど、歴代皇帝の中にはカエサルがいっぱいいたわけで、カイザーとかツァーリの語源になったんですね。まぁ、ユリウス・カエサルと関係あるかも!?って考える方がドラマチックでいいなぁ。