▼ 406〜 453:フン族大王

アッティラ(Illustration:マスダ) 天下のローマ帝国を滅亡へと導く『ゲルマン民族大移動※1』を引き起こすことになる遊牧騎馬民族・フン族の最盛期の大王(433〜453在位)である。
 451年西ローマに侵入したものの、死にものぐるいの相手に苦戦、敗退。気分がクサっているところに教皇レオ一世がやってきて「ちょっとやめてよね」なんて言ってきた。実際西ローマは既に、ゲルマン民族に踏みにじられて征服の価値も低かったので、仕方がないので引き上げた。
 結局ハンガリーあたりに居着いてウハウハやっていたのだが、晩年何人目かの嫁を貰った婚礼の夜、泥酔して鼻血を出し、出血にも気づかないまま失血死してしまった。毒を盛られたとの説が有力だが『若い嫁を貰った夜に鼻血で死亡』という言葉の情けなさが秀逸である。
 ヨーロッパ人に深いトラウマを残したこの男、がに股で浅黒く、つぶれた鼻につり上がった目、べらぼうにでかい顔など、ひどい形相で形容された。しかし、ヨーロッパに与えた恐怖の大きさで言えば、かのチンギスハンと並ぶほどの恐怖の大王なのである。あまりバカにしてはイケナイのだ。


※1 4世紀後半、突然やってきてゲルマン民族最東端東ゴート族を征服したため、恐れおののいた西ゴート族(東ゴートのお隣さん)が、375年南下、ローマ領内へずかずかと逃げ込んだからさあ大変。…というのがその「発端」である。