▼ 505〜 565ビザンツ帝国将軍

ベリサリウス(Illustration:マスダ) 西ローマが滅亡し、東ローマもボロボロになっていた時期に、劣勢を挽回したばかりか、西ローマ領の半分近くを再奪還した東ローマ軍の将軍。常勝将軍と呼ばれている。
 彼は、みんなにいじめられてばかりいた。皇帝※1からは疑われ、立身出世しか考えない部下からは妬まれ、敵軍※2は強大だった。挙げ句に、奥さんは浮気好きで、権勢欲が大きく、旦那の尻を叩くばかり。
 それでも、彼はがんばった。それまで、戦えば必ず負けると言われた東ローマ帝国軍を立て直し、ペルシャや蛮族を何度も打ち破り、民衆反乱を鎮圧し、北アフリカやイタリアに遠征して味方の妨害にめげず、十倍の敵を相手に完勝し、イタリアと北アフリカを取り戻した。でも、皇帝は彼が勝てば勝つほど、彼を疑い、彼を冷遇する。
 最後に彼は、全ての地位と財産を取り上げられてしまい、あまりの仕打ちに衰弱死してしまった。地位を失い目を潰されたベリサリウスが「将軍ベリサリウスにお恵みを」と言いながらボロを着て町を彷徨っていた、と言う伝説も伝えられている。どんなに才能があっても、適用力がなければ、報われない、いい例だ。


※1 ビザンツ帝国最盛期を現出したユスティニアヌス帝。プロコピウス(左参照)は奥さんのテオドラもめちゃ嫌いだったらしい。
※2 こちらもササン朝ペルシア最盛期のホスロー1世時代。ホスロー1世の軍隊に勝つということはそれだけ国内的にも脅威だったということだ。