▼1328〜98:明朝初代皇帝

朱元璋(Illustration:マスダ) 中国皇帝史上最悪の性格にして最悪の顔をしていると評判の高い朱元璋、のちの洪武帝(1368〜98在位)。元朝末期の大反乱『紅巾の乱』に参加したが、紅巾軍の中で自分のライバルになる人間に次々目を付けて、殺す、殺す、裏切る、殺す。結果紅巾軍のトップに立った彼は、1368年、大都を占領し明を建国するわけです。
 彼ってば貧農の中でも極貧の出身で、『聖賢・豪傑・盗賊の性質を兼ね備えていた』と言われるほどの性格のヒネ方をしていて、あまりの貧しさ体験から、権力が手に入った瞬間に「全てを支配したい」という気持ちで胸がいっぱいになっちゃいます。その結果彼がしたことは『一世一元の制』なんですね。今まで皇帝が好き勝手に変えてきた元号を、「一皇帝一元号」にする。つまり、皇帝によって時間が支配されると言う考え方です。今の日本も天皇によって元号が変わってますから、私達の時間は天皇に支配されちゃってるんですよ、みなさん。
 それはともかく、そこまで性格がヒネていて、まともな顔であるわけがない。只でさえ猜疑心の強そうな「ヒネ顔」なのに、顔中に赤黒いアバタがあって、目つきは悪いわ耳は尖ってるわ、牙の一つもはえていないのが不思議なくらい。そんな顔なので自分でもコンプレックスがあったらしく、絵師に無理矢理描かせた「虚像」も残っている。そちらの絵が実に温厚そうで、実直・誠実といった絵であることから、朱元璋自身も自分の心の狭さや疑い深さをちょっぴり反省していたのではないかと思われる節がある。そう思うと、ちょっとは可愛い。