▼BC782〜BC771在位:西周王

幽王(Illustration:マスダ) 西周の第12代の王である幽王は、後宮のある女に夢中になった。その女は、他の女と違って媚びて笑いかけることをしないので、なんだかつれなくされてるみたいでイカレちゃったらしい。イカレちゃった幽王は、なんとかしてこの女の笑顔を見たいと思うのだが、彼女はどんなに優遇されてもつんとすまして無表情だ。
 もうすっかりイッちゃった幽王は、彼女を笑わせるために、狼煙を上げた。この狼煙は「王宮に変事あり!」を知らせるためのものであり、兵士はコレを見ると「いざ鎬京!」てな感じで駆けつける、そういう約束の大切な狼煙だ。これを、幽王は「ふざけて」あげちゃったのだ。当然駆けつけた兵士は、ぽか〜んとするしかない。死を覚悟で駆けつけたのに、当の王様は女と一緒に狼煙台の上から彼らを見て、げらげら笑っていたりするのである。
 女が笑ってくれて有頂天になった幽王は、その後も何回もコレをやったらしい。当然、駆けつける兵士はいなくなっていった。
 そんな幽王のバカッぷりに耐えられなくなったか、幽王の前の奥さんのお父さんが、遊牧民族と手を結んで攻め入ってきた。こりゃ大変だ、ということで狼煙が上げられたが、当然ながらダ〜レもやってこない。幽王はあっけなく殺され、命からがら逃げ出した幽王の息子平王が、都を洛邑に遷して『東周』を建てた。
 教科書に「遊牧民犬戎(けんじゅう)に鎬京を占領され、東の洛邑に都を移した」と書かれている裏には、こんなバカ王が一人、いたのであった。
 歴史は深いなあ…。