▼1463〜1508:伊伯爵夫人

カテリーナ・スフォルツァ(Illustration:マスダ) ベネツィア年代記で「最高の精神と度胸を持った、疑いもないイタリア第一の女性」と讃えられ、美貌と度胸だけで悪名高いチェーザレ・ボルジアと闘った女傑である。
 彼女はなんとたった25歳の小娘盛りのとき、自分の夫を暗殺され、子ども達は人質に取られ、自分は城の周りを敵に囲まれる目に遭う。なかなか城を開け渡さない彼女を追い出そうと、敵は子ども達を連れてきて、「城を明け渡さないと子どもを殺すぞ!」といかにも悪役っぽく脅しをかけた。それを聞いてカテリーナは城壁に立つ。得たりと笑う敵に向かって、更に不敵に彼女は笑い、スカートをまくり上げて左のセリフを投げつけたというのである。
 もちろん本当に子どもを見殺しにしたかったわけじゃなく、味方が駆けつけてくるまでの間の時間稼ぎをしたかったわけだけど、若い娘が股間をさらしてこのセリフ。まんまと敵は術中にはまって、どうしようかとオロオロしている間に、駆けつけたスフォルツァ家の援軍に撃退されてしまったという顛末である。
 このエピソードと年代記の賛辞から、ムチャムチャステキな女性をイメージするが、時代が時代である。自分の父や夫(しかも2人)が次々と暗殺され、彼女自身もそういう状況に慣れてしまったらしく、圧政と弾圧で領民からは見放されていたようだ。
 「カッコイイけど、隣の国のヒトであって欲しい」感じのヒトだったんだろうな、と思っちゃったりする彼女の生涯である。