▼BC459〜399:哲学者

ソクラテス(Illustration:マスダ) 語るまでもないアテネの哲学者。当時のアテネの政治混乱の原因を、デマゴーグ(煽動政治家)とそれを補助するような弁論述を教えるソフィストのせいだと批判して恨みを買い、無実の罪を着せられて死刑を宣告される。弟子達が脱獄の手はずをととのえるが、「悪法も法なり」として、あくまでも判決に従った。
 ヒトはこのハナシから、ついつい彼を立派な外見で渋い中年男風に想像してしまいガチだが、事実はどうも違うらしい。「容貌は禿頭の大顔で、鷲鼻で目は出目気味、口は大きく唇は厚く、歩き方はアヒルの足取り」と言われるほどの外見貧乏。にもかかわらず、体は丈夫で一年中たった一枚の上着で過ごし、当時の平均寿命の約2倍の70歳まで生きるという恐ろしさ。この人、毒杯で殺されなかったら一体何歳まで生きたんだろうかとちょっと興味も湧く。
 しかも彼は町でいきなり見知らぬヒトを呼び止めて問答を始め(対話から自覚を得るというのが彼の持論)、最終的には『無知の知』つまり「俺はバカだ」というのを相手が自覚するまで放さなかったというのである。そりゃ、哲学的にはすばらしいことをその問答で教えていただいているのかもしれないけど、人間としては「うるせえ!ほっとけよ!」と思うのが真理ではなかろうか。
 案外死刑を宣告された原因は、こういうところにあったんじゃないかと、思ったりもするのであった。