▼1728〜62:ロシア皇帝

ピョートル3世(Illustration:マスダ) 有名なエカチェリーナ2世の旦那。プロイセンのフリードリヒ2世(大王)に危険なほどの憧れを抱いており、彼のために七年戦争からひょっこり手を引いてしまったので、折角優勢だったオーストリアが劣勢に追い込まれて大迷惑したりした。
 フリードリヒ大王に「心酔」しているピョートルは、更にロシア内部を徹底的に『プロイセン化』しようとする。啓蒙君主として名高いフリードリヒの真似をして、貴族や農奴に対して優しい政策を行ったりした。
 しかし、ピョートルとフリードリヒ大王の間には、暗くて深〜い川があった。何が違うかというと「頭のデキ」がそもそも違うのである。何もかもプロイセンの真似をしようとしても、そもそも当時のプロイセンとロシアでは文化の程度も社会の構造も何もかもが違うのである。もし同じことをするならばそれなりの下地固めをしなくてはならないのに、悲しいかなおバカさんのピョートルにはそれが判らない。とにかく闇雲にプロイセン化しようとして、ロシアを混乱へ導いてしまうのである。
 それに危険を感じたのが、彼の奥さん、ドイツからお輿入れのエカチェリーナである。少なくともピョートルよりはずっと聡明なエカチェリーナが、部下の唆しもあって、1762年、クーデターによってピョートルを廃位、自ら女帝として君臨することになったのであった。
 木村拓哉に憧れた男が、彼の真似をしてロンゲにしたりサーフボードを始めたりしたが、あまりにも似合っていないので彼女が怒ってしまってふられてしまった…みたいな情けない話で、ワタシは結構好きである。