▼1769〜1821:仏皇帝
フランスでは「N」といえばナポレオンを示すというくらい、とりあえず知らない人はいないと思われる人物。フランス国内の派閥策動による社会不安や欧州各国からの圧力で、フランス革命、というよりフランスそのものが危機に陥り、人々が「強力な指導者による秩序回復を期待」したとき、呼ばれて飛び出たのがこの人である。エジプト遠征の成功を背景に段階的に権力を掌握し、1804年には国民投票の圧倒的支持で『皇帝』に就任する。つまりナポレオンが革命を救い、同時に革命を終わらせたということになるのね。
これだけ有名な人物なので、怪しい逸話も多い。うたた寝していたナポレオンの鼻先に部下が大好きなチーズを差し出したところジョゼフィーヌの臭いと勘違いした、とか。部下はそもそも何のためにナポレオンにチーズの臭いを嗅がせたのだろう?ナゾだ。
現在まで根強いファンを獲得しているのが「ナポレオン暗殺説」。セント=ヘレナ島へ流刑となってそこで生涯を閉じた彼の髪の毛から砒素が見つかったことから「彼の復活を恐れた某国の差し金で、主治医に毒を盛らせたのだ!」とした主張デスね。しかしこの時代、砒素はまだ毒性が認識されておらず、染料として一般に使われていたりもした。特命リサーチ200Xによると「ナポレオンが流刑後暮らしていた家の壁から砒素が発見されており、自然にしみ出した砒素を、これまた自然に体内に取り込んでしまったのであろう」とのことだった。判ってみればつまんない話である。
しかし、多分今後も「暗殺説」は消えないだろう。だってその方がドラマチックだし、何より「ナポレオン=ボナパルトっぽい」逸話であるような気がするからね。
あまり知られていませんが、フランスには今も海外県があります。
ジョセフィーヌは、そのカリブ海のフランス領マルティニーク出身で、1/4黒人の血が入った混血でした。
彼女が、エキゾチックな美貌でナポレオンに愛された一方、正式の皇后になれなかったのは、それが理由という説もあります。
この「チーズ臭」話も、彼女が黒人の血が混じっていることを皮肉った小咄です。
ちなみに、あの文豪デュマも、フランス領カリブ出身の黒人系でした。
へーへーへーへー。知らなかったぁ。
勉強になりましたッ!メモッ!(←誰に言ってるか、ワタシ)
ジョゼフィーヌは、本名マリージョゼフ・ローズ・タシエル・ド・ラ・パジュリ。マルティニークの名家であるパジュリ家の出身です。名門であっても、黒人との混血があったのだから、当時の仏領カリブは、人種差別はそれほど過酷ではなかったのでしょう。
1779年、16歳でフランスに渡り(当時の植民地貴族の子弟は、年頃になると勉強などでフランスに行くのが普通)、ボーアルネ公爵夫人となり、夫がフランス革命で処刑されたあと、社交界の花形として復活。ナポレオンを射止めます。
文豪デュマが黒人系であったことは、佐藤賢一氏の近著「黒い悪魔」でくわしいです。
ロシアの文豪プーシキンも、確か、黒人系クオーターだったはずですよ。
この話は有名ですが、何で「チーズ」が登場するのか分かってます?
これは実際にあったことというより、大人むけのHなジョークですよ。
チーズの臭いは、体の”どこか”の臭いに似てると俗に言われるので、眠っていたナポレオンがその臭いを嗅いで、「今日は疲れているから(アレは)ダメ」と勘違いして、オチが付くのです。
そういう子供にはわからない、ユーモアです。
別にジョセフィーヌの体臭が臭いという話ではありません。
ちなみに従僕はナポレオンを起こそうとして、好物のチーズを出せば(多分、お腹もすいているだろうし)起きるだろうと思って出したのですが、ナポレオンはそれがジョセフィーヌが夜のお勤めを求めていると勘違いして、ビックリ、というよく出来た御話です。
こんにちは。いつも楽しく読ませていただいております。takaです。先日ナポレオンの棺が置かれているアンヴァリッドに行ってきました。ナポレオンに関する物が数多く展示されていて(匂いをかいだチーズは無かったと思います。多分。)、フランスにおけるナポレオンのヒーローっぷりに感心し、ついついナポレオンの下で活躍した将軍・政治家達、ナポレオン家の家系図が描かれているポストカードを買ってしまいました。日本ではナポレオンのような英雄は誰になるんでしょうかねぇ。