▼1867:日本

ええじゃないか(Illustration:マスダ)  時は幕末慶応3年8月下旬、尾張国ナゴヤ周辺。
 「空から伊勢神宮の御札が降ってきた!!」「こりゃあなんかええことがあるぞ!!」「そうだ、ええじゃないか、ええじゃないか!!」わけわかんないけど、女は男装、男は女装して踊り狂った。太鼓を叩き、笛を吹き、三味線をかきならしながら、群集が地主である庄屋や金持ちの商人の家へ土足で入り込む。で、なぜか押し込まれた方は酒や肴を際限なく振る舞った。押し入った人々は金品をまき散らし、「これくれてもええじゃないか」と持ち去る。で、取られた方は「それやってもええじゃないか」とくれてやってしまう。役人が止めようとしても、まったく聞き入れない。踊りくたびれるとだれの家でもかまわず寝てしまい、目が覚めると「ええじゃないか」と踊り出す。この「ええじゃないか」はウワサがウワサを呼び、東海道筋から東に江戸・横浜・静岡、西は京都・大阪・西宮方面にまで及んだ。
 背景には幕末期における民衆の政治的な不安が「踊り」というかたちで爆発した一方で、実はこの大騒動をカモフラージュに、討幕派は着々と江戸幕府打倒の動きを進めていたとも言われている